事務職や経理の仕事に就職・転職したいと考える方は、まず簿記や会計関連の資格を取ることをオススメする。そして、簿記や会計関連の資格はたくさんあるため、状況にあった資格取得を目指すのが効率的だ。関連した資格をまとめてみたので参考になればと思う。
日商簿記検定
一番ポピュラーな簿記の検定。現在は1級〜3級までの試験が実施されている。幅広い知識を習得でき、社会的な評価も得られやすい資格なので、どれを受験していいか迷っているなら、受験をオススメする。
各級のレベルは
3級 個人商店程度の会計知識 合格率 3割程度
2級 中小企業レベルの会計知識 合格率 2割程度
1級 上場企業レベルの会計知識 合格率 1割程度
となっている。申込は各地商工会議所でポータルサイト「
商工会議所の簿記検定」から、受験詳細は確認できる。
学生時代に取った簿記の資格について
ここで注意してほしいのは、簿記検定はいくつか種類がある。中でも、学生時代(高校など)で取ることが多いのは「
全商簿記検定」や「
全経簿記検定」などだ。特に全商簿記検定は難易度が日商簿記検定より数段簡単で、社会的な評価もあまりない。(全くないわけではない。)
全経簿記検定は3級、2級、1級、上級とあり、日商簿記検定の難易度の比較すると
日商 3級 = 全経 2級
日商 2級 = 全経 1級
日商 1級 = 全経 上級
といった具合になる。日商1級及び全経上級の合格者は後述する難関資格の税理士試験の受験資格を得ることができる。日商簿記に比べ、全経簿記は若干知名度が低い。勉強するテキストなども圧倒的に少ないため、特段理由がなければ、日商簿記をオススメする。
建設業経理士
簿記検定に合格したら受験したい資格。建設業の会計処理は商業簿記と若干違いがあるため、習得しておくと会計スキルの差別化を図れる。また、建設業は公共工事を受注する際に経営事項審査なるものを受ける必要がある。その際の評価項目として、社内に雇用する公認会計士等の人数というものがあるのだが、建設業経理士の取得はこの評価項目に繋がる場合もあるため、そういった部分で重宝されるので持っていて損はない。
建設業経理検定HP
電子会計実務検定
簿記検定が手書きの帳簿書類の整理に重きを置いているのに比べ、この電子会計実務は現在もっともポピュラーな会計ソフトに重きを置いている。求人の項目にその会社が使用する会計ソフトの経験者を優遇する場合も結構ある。電子会計実務は多くのメジャーな会計ソフトをフォローしているため、簿記検定に合格したら、受験を考えてもいいと思う。
電子会計実務検定
ビジネス会計検定試験
最近は会計ソフトが非常に発達しているため、伝票整理などの基礎的な事務作業はかなり簡略化されているといっていい。一方で、取引を積み重ねたことで出来上がる財務諸表を読み解き、今後の経営戦略に結びつけることが重要な仕事になってくると思う。この検定試験は1級〜3級まであるので、簿記検定を合格したら、受験を検討するのがいいと思う。
ビジネス会計検定試験
税理士
税理士は会計分野の資格では上位の資格で、独立開業も十分視野に入れることができる。会計に関する知識はもちろんのこと、税務に関する知識も習得できる。中小企業の会計は、税務会計を主眼に置いている場合が多い。資格の取得は難易度が高いものの、取れた場合はあなたの評価は格段に上がるだろう。ただし、資格取得には実務経験が必要となるため、試験合格=独立開業という訳にはいかないので注意しよう。
税理士試験の概要
公認会計士
会計関連の最上位に位置する資格。高度な会計知識だけでなく、会社に必要な法律関係も網羅する資格だ。仕事をしながら取得するのはかなり難しいといっていい。ただし、資格を持っていることによるリターンは納得のいくものだ。日商簿記の1級が取得できたら、受験を考えよう。ただ、資格取得の難易度からすると、経理職などの就職のためには勉強時間も非常に長いため現実的ではない。日商簿記1級を合格したら、実務の研鑽が先になるだろう。
公認会計士試験
0 件のコメント :
コメントを投稿